ちょっと愚痴をいいたい気分だが、のんべんだらりと書いても読み手に何の役にも立たないので含蓄の深い言葉をまじえながら愚痴をいきましょう。(いいたいことは、IT関係の人たち、もっとサービス精神を身につけましょうよ ということ)
割と有名な言葉だが、電通「鬼十則」というのがある。
1. 仕事は自ら創るべきで、与えられるべきでない。
2. 仕事とは、先手先手と働き掛けて行くことで、受け身でやるものではない。
3. 大きな仕事と取り組め、小さな仕事はおのれを小さくする。
4. 難しい仕事を狙え、そしてこれを成し遂げるところに進歩がある。
5. 取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは……。
6. 周囲を引きずり回せ、引きずるのと引きずられるのとでは、長い間に天地のひらきができる。
7. 計画を持て、長期の計画を持っていれば、忍耐と工夫と、そして正しい努力と希望が生まれる。
8. 自信を持て、自信がないから君の仕事には、迫力も粘りも、そして厚味すらがない。
9. 頭は常に全回転、八方に気を配って、一分の隙もあってはならぬ、サービスとはそのようなものだ。
10. 摩擦を怖れるな、摩擦は進歩の母、積極の肥料だ、でないと君は卑屈になる。
本質を突いているのでビジネスにたずさわる人は「まさにそうだそうだ」と言うと思うが
、「これぐらいの真剣さで仕事に取り組んでいるのか?」といいたくなる人が多いのがIT業界。あえて最初に弁護しておくと、「鬼十則」は電通という広告ビジネスのドンのような会社から生まれた言葉であり、おそらく営業マンに向けての叱咤激励の言葉であり、これをそのままテクノロジーをサービスに変換させるビジネスの情報サービス業に適用させるのは無理があるかもしれない。ただテクノロジーと広告の違いを情状酌量として考えても、「IT業界の人、現在の状況をもっともっと真摯に受け止めて対応を考えない」と産業として発展しないぞと言いたい。(もちろん、自分にも言い聞かせながらだが、業界全体がそうならないといけないだろうからあえて苦言をいっている)
1. 仕事は自ら創るべきで、与えられるべきでない。
2. 仕事とは、先手先手と働き掛けて行くことで、受け身でやるものではない。
IT業界というよりもむしろ情報サービス業界というほうが正しいが、会社の中の職制としては「営業」「営業支援」「技術支援」「設計・開発」というような感じになっているのではなかろうか。そして言葉どおり「営業」だけやっている人の比率というのは案外少ない。ではそれ以外の人はというと確かにクライアントとの打合せに出たり営業支援をしたりと『仕事を自ら創る』という側面に触れてはいるが、全身全霊かたむけて注力しているかというと案外そうでもない。技術革新と背中あわせで技術キャッチアップだけでも精一杯という事情もあるが、仕事は増えてもそれほど喜ばないという風潮がある。(給料が増えない場合はなおさら)
簡単にいうと、真のサービス指向型になっていない。コンサルティングを標榜する会社が増えてはいるが、名前負けしている会社が多いのも事実。でも、これからの情報サービス業界、競争が激化し本当の意味での質の勝負になるので実体の伴ったサービス指向の会社しか生き残れないはず。淘汰されるはず。
組織全体の話をしてきたが、それを構成する個人個人がそういうマインドであることがなにより重要
3. 大きな仕事と取り組め、小さな仕事はおのれを小さくする。
4. 難しい仕事を狙え、そしてこれを成し遂げるところに進歩がある。
7. 計画を持て、長期の計画を持っていれば、忍耐と工夫と、そして正しい努力と希望が生まれる。
3.と4. はイケイケドンドンの電通カルチャーらしい言葉であるが、その裏で「緻密さ」と「全体を俯瞰する眼力」も要求される。なにより警鐘をあげるべきは、緻密さをあわせもたない挑戦。それはただただ無謀である。ITプロジェクトでいうと、緻密なスケジュールプラン・リソースプランがない状態での提案・受注は無謀だ。(もちろん不確定因子はあろうから幾分かのバクチ的要素を伴うことは重々承知)言葉でいうと平易だが「緻密さ」を身につけるのは大変である。
ここでいいたいのは、日々「緻密さ」を磨きつつ、いざ営業という局面にたったとき大胆な一手を打てることが重要ということ。情報サービス業はトークをする「営業」と最終的に緻密なプランを立てる「プロジェクトマネージャ」が別物であることに本質的な問題がある。分業という観点ではやむなしだが、ベクトルが違いすぎているケースが多い。
5. 取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは……。
プロジェクト途中で「このスケジュールでは無理です」「それはできません」とか『泣き』を入れる人が多いが、そういう人にこの言葉はぴったり。(ま、これはおそらく電通営業マンむけの「なんとしてもお客を落とせ」というときに使う言葉なんでしょうけどね)
6. 周囲を引きずり回せ、引きずるのと引きずられるのとでは、長い間に天地のひらきができる。
これを割と実践しているのがACに代表されるITコンサルティング会社。ERP導入など複数の利害関係者が関わるプロジェクトではまさにこの言葉どおり。引きずられる情報サービス会社の人たち、それでいいんですか?といいたくなるが、「人間、支配する人、される人」2種あるから仕方ないかも。でも引きずられる側にまわるのならば、あんまり文句はいうべきでない。物理のエネルギーでもそうだが引っ張る側はそれだけのエネルギーが必要である。また引っ張る側はビジネス上の責任を伴って仕事をしているわけである。言われたとおりやるだけの立場にさんざんいた挙句雲行きが怪しくなると急に「それはできない」とか言い出す。お金を出しているクライアントに大見得きってそれいえますかと。「できない」という言葉の重みをかみ締めていってほしい。(もっとも、技術を知らないやつらが勝手に「できるできる」といったことについてはその限りでないが)
8. 自信を持て、自信がないから君の仕事には、迫力も粘りも、そして厚味すらがない。
9. 頭は常に全回転、八方に気を配って、一分の隙もあってはならぬ、サービスとはそのようなものだ。
10. 摩擦を怖れるな、摩擦は進歩の母、積極の肥料だ、でないと君は卑屈になる。
これはコミュニケーションにまつわるところ。8.の「自信」についてだが、情報サービス業どうも自信がない人が多い。テクノロジーを扱う以上、自分の知らないことが多少なりともあるのは当たり前だが、なにかひとつ「これなら負けない」という分野を築くことが必要だ。履歴書で申し訳程度に書く資格の話ではない。たとえばDB設計ができるというなら「大手企業のエンタープライズデータベースを再構築できる」というぐらいの自信がほしい。自信と実力は微妙に違う。東大を受験するために必要な「自信」とその「実力」のようなものだ。極端な言い方をすると合格率(「実力」)80%ぐらいで「自信」はついてくるわけであり100%と隔たりがあるとはいえ、「自信」があれば「東大を受験するんですよ」というぐらいはできるはず。実際にできるかどうかはやってみないと分からないかもしれないことは多いが、それを言葉にして恥ずかしくないぐらいの域にせめて30歳前半ぐらいには達しているべきだ。
10. だが、プロジェクトにおいて利害関係の異なるチーム同士の会合というのは摩擦だらけだ。どうもIT関係者は技術指向の人が多いせいか人と人との摩擦は何の役にもたたないとばかりに、回避回避へと流れる傾向にある。技術分野であっても本来譲歩してはいけない領域とかはあるものだ。たとえばDB設計において妥協すればどんどん汚いTBLができあがる。結果プログラムで(本来不要であった)ロジックを書くはめになる。確かにそれはそれでひとつの解決策だが、顧客視点にたったとき正しい姿から乖離してしまうのは本当はよくない。またプロジェクトを進めていくことは意思決定の積み重ねだが、要所要所で本来クライアントのお伺いを立てないといけない選択というのがあるものだが、それを諮ることなく勝手な解釈で判断しているケースも見受けられる。スケジュールをクライアントの了承なく書きかえたあげく、「たしかこんな感じで承っていたかと思いますが」と、すっとぼけるなどはほとんど犯罪だ。クライアントから見えない世界/見てない世界では妥協が横行しているわけである。その妥協で必要となった工数というのは意味不明である。もうほとんど欠陥住宅と同じである。住居が生活に不可欠なのと同様、情報システムが企業活動に必要ということで、需要がゼロになることはありえないが、縮小していくマーケットのなかそういうやりかたをしていると淘汰されるに違いない。